女性のためのメンタルヘルス

女性特有のメンタルヘルスについて

女性特有のメンタルヘルスについて当院では、複数の女性医師が勤務しており女性特有のお悩みの相談を受けています。

女性は、ホルモンバランスが大きく変化する時期や周期がありますし、仕事・結婚・子どもの成長・介護などライフサイクルの変化による影響も大きく受けます。そのため、メンタルヘルスにも問題が起こりやすいとされています。

ホルモンバランスは、思春期、妊娠・出産、更年期・閉経で大きく変化しますし、1ヶ月という短いサイクルでも月経周期に合わせて急激にバランスが変わります。ホルモンバランスの変化によって、メンタルにも不調を起こしやすくなります。月経周期による月経前症候群や月経前不快気分障害、思春期・妊娠・出産などに現れやすいうつや不安、更年期障害や閉経に関するお悩みなどについて、女性医師による診察、生活指導、薬物治療などを行っています。なお、婦人科の診療が必要な場合には、近隣の医療機関をご紹介しています。
気になること、お悩みやお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

月経前症候群(PMS)


生理前にイライラするなど、月経前に不快な症状を起こす状態です。働く女性の7~8割が体験するとされていますので、珍しい症状ではありません。月経前の約3~10日前から不安感・イライラ・むぐみ・腹痛などの不快な症状が現れて、月経がはじまると症状が消えていき、短期間にスッキリ症状がなくなります。はっきりとした原因はわかっていませんが、女性ホルモンの影響が指摘されています。

月経前不快気分障害(PMDD)

簡単に説明すると、月経前症候群に比べ、不調となる症状の数や影響が大きいケースが月経前不快気分障害です。月経がはじまる1週間程度前から症状が現れて、月経がはじまるか、月経期間が終わるころには症状が改善します。「生理は病気ではない」とこうした不調を放置してしまうケースがありますが、月経周期に合わせて悪化と改善を繰り返すため、お仕事や生活に支障を生じるだけでなく、気分の落ち込みやイライラでご自分にも負担がかかりますし、周囲との人間関係にも悪影響を及ぼすことがあります。
適切な治療やケアで状態は改善できますので、「月経周期によって症状が悪化して、月経期間になると症状が解消する」といった症状がありましたら、お気軽にご相談ください。当院では複数の女性医師が在籍しておりますので安心して受診できます。

月経前症候群(PMS)と月経前不快気分障害(PMDD)の違い

月経前症候群(PMS)と月経前不快気分障害(PMDD)の違い月経前症候群と月経前不快気分障害は似ていますが、それぞれに診断基準があって明確に分けられています。

月経前症候群は生理周期の約5日前に、感情症状(抑うつ・イライラ・不安など)、または乳房の張り・腹部の違和感・むくみといった身体症状がひとつ以上ある場合に診断されます。
月経前不快気分障害は、精神面の不安定さが特に際立って強い状態で、イライラや抑うつ気分などの感情症状、集中力低下・不眠・食行動の変化など生活・行動・意欲面に関連した症状が認められるなどの基準があります。
月経前不快気分障害は、ホルモン療法の効果が出にくい傾向がありますが、専門医への受診によって心理的なサポートを受けることが改善につながるケースが多くなっています。
当院では、抗うつ剤や抗不安薬などによる薬物療法、心理療法などを受けられます。また、うつ病、パニック障害、気分変調性障害、パーソナリティ障害などを起こしている可能性もあるため、適切な診断と治療を受けて状態を改善に導くためにも、月経前に起こる症状でお悩みがありましたらご相談ください。

妊娠や出産にまつわる不安やうつ状態(産褥期うつ)

いわゆる妊娠にまつわる不安や産後の育児の不安など、妊娠出産にまつわる精神的な不調は意外と多いものです。これらは妊娠以前にメンタル的な不調の起用がある方もいらっしゃいますが、大半が何ら不調な兆候などなかった方が、突然眠れなくなる、突然気分が不安定になるなど、他の精神疾患と比べて変化が著しいのも特徴です。一般的に産後うつ病とは分娩後の数週間から数ヶ月程度続く精神的な不調、心理障害が起きている状態をいいます。比較的多いのが産後のタイムスケジュールの変化が誘因となる、睡眠不足や産褥期における極度な貧血、その他ライフスタイルの劇的な変化による反応性な部分が多いとされています。背景には出産前後のホルモンの変化など女性特有の生物学的な背景があることも忘れてはなりません。  多くの方が妊娠をされている中での突然な精神的な不調でありどのように付き合っていくか悩まれる方も多いかと思います。我々は妊娠中のみならず出産後の精神的な不調等に関して迅速な介入を行っております。

妊娠中・産前産後における精神的な不調、特に不眠症などに関しては薬物療法以外にも漢方による治療やその他母体に関わる影響の少ない治療法などもありますので、どうぞ躊躇なく当院にご連絡ください。薬物療法を中心とした介入のみならず、必要に応じて行政機関や各種産婦人科病院との連携もとらせております。

当院では女性医師のみならず男性の医師もこれらの社会的な背景に重きを置き適切な介入を迅速にさせていただいております。

更年期障害

更年期障害更年期とは、閉経前の5年、閉経後の5年の合計10年で、一般的に45~55歳が多いとされています。閉経に向けてホルモンバランスの分泌量が大きく揺らぎながら減少するため、さまざまな不調を起こしやすくなります。
特に多いのは、ホットフラッシュと呼ばれる突然の発汗やほてり、のぼせです。気温に関係なく起こり、髪がびっしょり濡れるほど発汗することもあります。他にも、手足の冷え、肩こりや頭痛、イライラ、うつ、不眠、便秘など、さまざまな症状を起こします。
早い方は40歳代半ばに、遅い方は50歳代半ばに自覚症状を感じますが、症状の内容や強さはそれぞれ個人差が大きく、ほとんど症状を起こさない方もいる反面、生活に支障が出るほど強い症状を起こす方もあります。

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